夢で攻めるな

「夢の中で2回もあなたを失った」。

「もう、失いたくない」。

この言葉が急に影を踏まれたかのように、心を揺さぶったように思えた。

仕掛けられた、と感じた。

あまりよく知らない、普通くらいのお付き合い。

どう見ても際立つ美人で、しかも、いかにも事情のありそうな致命的な顔面の傷跡。

俺も正当で安全な距離を置いていた。

でも、完全に網にかかった。

不老不死

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以前、アニメの「蟲師」の第９話「重い実」というのを見たことがある。

ある貧しい地方の田舎に一箇所だけ、ひどい天災のたびに逆に豊かに実る地帯があった。

ご先祖様を大切にする村人たちをご先祖様が守っているからだという。

その代わりご先祖様はその年の秋の初めに、村人の誰かの口に瑞歯（みずは）というキレイな歯を生えさせる。

その瑞歯（みずは）は秋の終わりには抜け落ち、その村人は死ぬという。

その命はご先祖様への供え物と村人たちには伝えられている。

実際は、その瑞歯（みずは）とは「ならずの実」という人の命と引き換えに土地や物を豊かにするという霊的な冥界的なもの。

結局、その年犠牲になった人が死んだ後、主人公の"ギンコ"という蟲師によってその「ならずの実」を飲ませてもらい逆にその実の霊力で不老不死になるという。

物語は天災の年に、村を救うために一人の村人を犠牲にするという事をやめ、何世代掛かろうが皆で土地を守り、努力してよくして行こう。人の努力で土地を豊かにして行こう。という思いの村人が、永遠に死ねないという不条理を受け入れ永遠に村人や土地を見守っていくというもの。

最後に不老不死になった人が静かに農民のために生き続ける。

という奇譚だった。

西洋では、不老不死というと悪とか悪魔とかのイメージだが、日本ではなぜか仙人などのように優しいいい人というイメージがある。

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